-「新潮」昭和36年4月号
Wednesday, November 11, 2009
摩天楼
「摩天楼を美しいと思うことは、既に我々の祖父伝来伝承された感覚だが、どんどん新しくたっているより機能的なモダンな摩天楼も、(たとえばシーグラム・ビルディングを見よ)直ぐ近くの古い摩天楼との様式差を、高さの近似のおかげで、みごとにカヴァーしてしまっている。ここでは様式の較差も問題ではなく、下から眺める人間の視野に対する威嚇だけで、全くよく似た「圧倒的な」美感を与えるのに成功している。巨大というものが、いつも様式を超越してしまうということの古代の例証は、ローマへ行けばよく見られる通りだ。」
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